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- 1 iPad Pro (2020) といっしょに発売された、Magic Keyboard。
- 2 まとめ:Magic Keyboardはちょっと待った。
iPad Pro (2020) といっしょに発売された、Magic Keyboard。
iPad Pro (2020) が発売されましたね。
新型のiPad Proが登場しましたね。
新学期に向けてiPad Proの購入を考えていた方には朗報だったかもしれません。
逆に、新学期に向けて、既にiPad Pro (2018) を購入していた方には悲報だったのかもしれません…。
とはいえ!
筆者も最近、iPad Pro (2018) を購入しました。
今回のアップデートで発表されたiPad Pro (2020)、もちろん魅力的ではありますが、2018年モデルを購入したことを後悔したり、新しい2020年モデルを頑張って購入してみよう(もちろんそんなことはお財布的に不可能ですが)と思ったりはしません。
iPad Pro (2018) の購入を考えつつ、ニューモデルを待っていたという方、新しいiPad Pro (2020) のアップデート内容を知りたいという方は、以下の動画がよくまとまっていて参考になると思います。
※二つの動画の配信者である、平岡祐太 / DRESS CODE. さんと KICS さんは、iPad以外にも多くの情報を発信しておられるので、チャンネル登録などをして定期的にチェックすると、有益な情報が得られますよ!
そして今回のテーマは、iPad Pro (2020) の本体ではありません。
これまでiPad ProにはSmart Keyboard Folioがあった。
これまでは、iPad ProのためのApple純正キーボードとしては、Smart Keyboard Folioがありました。
筆者もiPad Pro (2018)といっしょにこれを購入し、この記事を書くのにも使用しています。
Smart Keyboard Folioの特徴としては、
- iPad本体の傾きを2段階に調節できる
- 表面が薄いファブリックで覆われていて、キーボードの隙間にゴミが入ったりしない
- ケーブルなど無しに接続できる
- キーボードの打ち心地も悪くない(個人差アリ)
といったところです。
正直、これまでのところ全く使用感に問題はありませんし、十分に満足しています。
新しく発表された、Magic Keyboard for iPad Pro。
これが新しく発表された、iPad Pro用のMagic Keyboardです。
最大の特徴は、トラックパッドが搭載されたことですよね。
iPadOSが登場して以降、iPadでもマウスやトラックパッドが使用できるようになっていましたね。
参考画像(smcomemory.com)
とはいえ、これまでのSmart Keyboard Folioにはトラックパッドはありませんでした。タッチ操作やApple Pencilによって動かす必要がありました。
それが新しいMagic Keyboardではトラックパッドが搭載されたことで、ほとんどMacのような操作感でiPadが操作できるようになります。
さすがにMacBookほどの大きさがあるトラックパッドではありませんが、それでも各ジェスチャーが使えるだけでも相当に便利になるはずです。
ただ、それならMac使えば良くない?
iPadのMacに対する強みであったはずの「タッチ操作・Apple Pencil」の使いどころがどんどん減ってしまうような気がするんですよね。
MacBook Air (2020) を買った方が安くなる
今回、新型のMacBook Air (2020) も同時に発表されています。MacBook Airであれば、10万円+αくらいで買うことができます。大学生(新入生も含めて)ならば、「学生・教職員ストア」で学割を効かせてさらにお値打ちです。
それに対して、iPad Proは本体だけで同等のお値段。さらに5月に発売される予定ですがMagic Keyboard for iPad Proを購入すると、プラスで、11インチなら¥31,800(税別)。12.9インチであれば¥37,800(税別)です。
つまり、iPad Pro本体とMagic Keyboardを併せて買うより、MacBook Airを買った方が安いということになります。
大学生がiPadを使う場面を考えてみると…
そして価格とは別にもう一つ。大学生がiPadを使用する場面を考えてみると、Magic Keyboardにはけっこう問題があるのではないかと思えてきます。
Magic Keyboardは、iPad本体が「浮いている」状態。
今回のMagic Keyboardの特徴として、いろいろなサイト・動画でもよく言及されている「浮いている」というポイントです。
ここですね。
従来のSmart Keyboard Folioのときには、キーボードに溝が彫ってあって、そこにマグネットで立てるタイプだったので、本体が浮いているような状態にはなっていませんでした。そして立てかける時の傾きは、指定された2つの傾きしかありませんでした。
それに対して、この「浮いている」状態、ちょうつがいというか、ヒンジの部分がある程度しっかりしていれば、傾きは自由に設定できることになるでしょう。
これまでのSmart Keyboard Folioに比べて、傾き設定が自由度を増した、という点ではこれは評価できると思います。
キーボードに接続しながら、「自由な傾き」って要る?
ただ、この「傾きの自由度」、どこまで必要なのかがイメージしづらいんですよね。
だって、「傾きが自由に設定できる」って言ったって、あくまでキーボードを使いたいときでしょ?
筆者の場合はほとんどが、「椅子に座って机の上に置いての使用」です。そんなときは、従来のSmart Keyboard Folioの2つの傾きのどちらかで十分。そんな自由に設定できても、恩恵は受けられません。
Apple Pencilでの手書きのときは、むしろ邪魔?
そして、Apple Pencilを使用する時。大学生の場合には、ノートアプリで授業ノートを取ったり、資料に書き込みをしたりするのがメインになるはずです。
参考画像(matome.naver.jp)
こんな感じの傾きをイメージしながら、「少し傾斜があって書きやすそうじゃん!」って思っておられるとしたら、ちょっと認識を改めた方が良いかもしれません。
この画像であれば、良いと思うんです。液タブ(液晶ペンタブレット)がすごく大きいので、手だけでなく、ある程度腕まで支えられるから。
ただ、例えば11インチのiPad Proだとしたら、ノートを取ろうとして、iPadに触れている部分(支えてもらえる部分)は、たかだか手の腹部分だけです。
そして、上に書いたようにMagic KeyboardではiPad本体は「浮いて」います。
これらのポイントをあわせると、「浮いているiPadに手の腹の部分だけを支えてもらいながら、ノートを取る」ことになるでしょう。言い直しましょう。腕に対する支えがないまま、ノートを取り続けなければならないということです。
大学の授業はほとんどが1時間半。90分間も、腕を支えられないままでノートなんか取っていられるでしょうか?しんどすぎじゃない?
いわゆる「風呂ブタ」、Smart Folioであれば、腕はちゃんと支えられるんです。iPadの本体に手の腹部分を支えてもらいつつ、デスク部分に肘や腕を預けられるので。
ですが、Magic Keyboardだと、腕や肘に対する支えがありません。なんなら、iPad本体の手前側にキーボードがあるので、Apple Pencilでノートを取ろうと思っているときには、むしろ邪魔になってしまいそう。
こういった事情を踏まえると、
iPadのメインな使い方が授業のノートテイク、という大学生には、Magic Keyboardはオススメできない。
ということになると思います。上で言ったように、トラックパッドを使いたかったらMacBook Airを買った方がお値打ちですし。
Magic Keyboardよりも、Smart Keyboard Folio + Moft Zの方が幸せになれそう
価格からすると、新しいMagic Keyboardは、11インチで¥31,800(税抜)。それに対してSmart Keyboard Folioは、¥18,800(税抜) です。価格差が1万円以上になります。
にもかかわらず、ここまで書いてきたように、Magic Keyboardを買っても、大学でのノートテイクには役に立たないということが想定されます。
それならば、筆者としては
Smart Keyboard Folio + Moft Z
という運用が一番うまく行くんじゃないかな…と思ってしまいます。
Moft Zとは、クラウドファンディングMakuakeで、もうすぐ予約販売がスタートする予定のPCスタンド。これまでにも “Moft”、”Moft X”など、話題のスタンドを世に送り出してきているMoft社による新製品です。
クラウドファンディングKickstarterでは、既にプロジェクトが始まっているようです。
A4ノート大の板を展開させて、様々な形に組み立てることでいろんなスタンドの役割を果たしてくれる、という優れものです。
角度としては、20度、45度、60度程度の3つ。また、上の画像のようにスタンディングデスク代わりに、高い位置での固定みたいな形状にすることもできます。
この傾きの一番緩いバージョン、20度くらいの傾きが、従来のSmart Keyboard Folioでもできなかったし、Apple Pencilを使用してノートを取ったり絵を描いたりするときには、Magic Keyboardでも対応できないであろう、傾きなんですね。
そして、授業ノートを積み重ねていかないといけない大学生にとっては、おそらく一番メインでiPadを使用する時に欲しい傾きでもあります。
キーボードは欲しい。そしてノートテイク用の20度くらいの傾きも欲しい!
という方(筆者も含めて)にはぜひ、購入(応援)を検討して欲しい一品が、このMoft Zというわけ。
そしてMoft Zのもう一つのメリットは、iPadと一体になっていないというところ。
何が言いたいかというと、iPadの縦使用でも、同じ傾きを確保できるということです。
iPadのほかに、Macbookなどのラップトップを使用している時、また、縦書きの日本語書籍/論文のpdfファイルを読む時には、iPadはどうしても縦向きに置いた方が適しています。
そういったときに、Smart Keyboard Folioは、(そしてもちろんMagic Keyboardも、そしてSmart Folioも)縦向きの少し傾けた置き方に対応していません。
このMoft Zは、良くも悪くもただの板であってiPadに装着して使用するタイプのスタンドではないので、縦置きでも横置きでも、同じ傾きにできるという特徴を持っています。
筆者も現在、購入を検討中です(というかバイト代が入ったら速攻ポチる予定)。
関心がある方は、ぜひ調べてみてください。
www.jp.moft.us : 日本語公式サイト。クラファンMakuakeで予約販売予定。
www.moft.us:英語の公式サイト。クラファンKickstarterでプロジェクト進行中。
まとめ:Magic Keyboardはちょっと待った。
というわけで、最後はMoft Zの宣伝のようになってしまいましたが、Magic Keyboard for iPad Pro に盛り上がっているところに、ちょっと疑問を投げかけてみました。
スタイリッシュだとは思うんです。ただ、使用に耐えるものかどうかはまた別の問題。
格好の良いApple製品とはいえ、あくまで道具。ただのドヤアイテムにしておきたくはありませんよね。
さしあたりコストパフォーマンスも含めて、筆者としてはMagic Keyboardはステイ(というかスルー)。
もちろん今回扱った以外のポイントもあるし、メリットもあると思います。発売はあくまで5月予定なので、よくよく考えてみてくださいね。