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Fileuse d’arvor(フィールズダルボー)の「ブルトンシャツ」が普通の「バスクシャツ」とは大きく違った。

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Fileuse d’arvor の「ブルトンシャツ」が最強と言える理由。

まず見ておきたい。Fileuse d’arvor とは

本社のあるカンペールという街

Fileuse d’arvor (フィルーズダルボー)社の創業は1927年。

フランスは北西部というより西端の港町カンペール (Quimper) が本拠地です。

フランスに旅行すると、パリのシャルル・ド・ゴール空港に降り立つことが多いはずですが、そこからだとTGV(フランスの新幹線) に乗って4時間くらい。ブルターニュという地域ですね。

これは余談ですが、同じブルターニュ地方の東端、正確には隣のノルマンディー地方の西橋には、有名なモンサンミッシェルがあります。日本の富士山と同じように、「モンサンミッシェルはどっちのものか!?」論争もあります。

参考画像(lesacdemademoiselleb.com)

このブルターニュ地方カンペールは、フランスとイギリスという2つの大国の狭間で翻弄された歴史を経て、フランスでありながらケルト民族の思想を強く継承する独特の文化をもっています。

「カンペール(Quimper)」とは、ケルト系の言語であったブルトン語で「川の合流地点(Kemper)」という意味。同じ「カンペール」という発音でCAMPERという靴ブランドがありますが、こちらはスペインのブランド。camperは「田舎な/素朴な」という意味だそうです。

それゆえ独特のカルチャーやメンタリティーが根付き、農業国であるフランスの中でも優秀な工・商業製品を産出する地域として知られています。あまり聞きなれないかもしれませんが、カンペール焼と呼ばれる陶器の生産も盛んな町です。

このカンペールで、フィールズダルボー社は地元愛に溢れる製品を作り続けており、頑なにMADE IN FRANCEにこだわり続けています。

こだわりの生地と特許取得の縫製。これ以上は望めない。

フィールズダルボー社の「フィールズ (Fileuse)」とは、「糸を紡ぐ人」という意味。生地や糸 (縫製) にとことんこだわっています。

一般的なボーダーのカットソーが、「丸編み機」と呼ばれる筒状の生地を作る機械で作られているのに対して、フィールズダルボー社では、「横編み機」というセーターを作る機械で編み上げられています。

フィールズダルボーの代表作にはカットソーの他に、セーターもあります。

セーターのような伸縮性と、馴染みの良さ。

参考画像(fileusedarvor.com)

着ている時には身体に合わせて伸び、洗濯をすると元の形に戻ろうとする、という生地の特性を生かして、着込めば着込むほどに自分の身体にフィットしていく、オーダーメイドのようなカットソーになります。

フランス語では「動く」と表現される、この生地の特徴は、他のボーダーカットソーでは味わえない感覚です。

また、特に首から肩にかかる部分の縫製にも特徴が。

参考画像(zutto.co.jp)

肩の部分を折り返し、重ね合わせて縫製されることにより、伸び止めと補強の役割をはたします。

フランスで特許を取得するにまで至ったこの技術は、まさにフィールズダルボーがフィールズダルボーたるゆえん、と言っても過言では無いでしょう。

「ボートネックは好きだけど、首から肩がビロビロになっちゃうんだよね」とお悩みの方には、ぜひ一度試していただきたい。

また、画像の首元を見てもらうとわかりやすいですが、オーシバルやセントジェームズのカットソーと比べると、首のリブ部分が少し太め。ちょっとした見た目の違いですが、正面からでもよく見える部分なので、違いがハッキリ出やすいのが特徴です。

ちょっとした豆知識も踏まえて。「ブルトンシャツ」と呼びたいボーダーのカットソー。

フィールズダルボー社公式ホームページ を参照すると、(フィールズダルボーの)ボーダーカットソーは、一般的な「バスクシャツ」ではなく、「ブルトンシャツ (Breton Shirt)」あるいは「マリニエール (Marinière)」と呼ぶべきだそう。

「船乗り」を意味する Marin (フランス語なので、「マラン」と読みます) から派生しており、「船乗り着」といった意味でしょうね。

「ブルトンシャツ」の方は、「ブルターニュ(人)のシャツ」という意味なので、まさに起源そのまま、という感じ。

「バスクシャツ」は「バスク地方」、つまりフランスとスペインとの国境地域で船乗りたちが同じようなボーダーのカットソーを着ていたことから名付けられています。

こういった豆知識も仕入れつつ、フィールズダルボーのこだわりが詰まった「ブルトンシャツ」あるいは「マリニエール」を着てみてはいかがでしょうか?

商品リンク

定番のボーダー柄だけでなく、無地のものもあります。無地の方が被りの心配も少なく、使いやすいかもしれませんね。

ショップの別注品や、限定カラーなどもあったりします。個性的な色・デザインを探してみるのも良いかも。