無印良品の「新疆綿オックスノーカラーシャツ」を購入しました。シャツでありながらジャケットのような羽織りものとしても使用できる、変化球っぽいシルエット。無印良品らしくシンプルでミニマルな作りの中に、遊び心が垣間見える注目モデルです。
Muji、今期の新作がイイ!
というわけで、無印良品でいくつかのトップスを購入しました。ここのところコロナウイルスの影響もあって近所の実店舗も人の出入りが少なそうだったので、ササっと試着してサイズを確認しつつ、実際の購入は通販を利用しました。
購入したアイテムは全部で4つ。
- 新疆綿オックスノーカラーシャツ (黒)
- 新疆綿オックスプルオーバーリブ付シャツ (ダークネイビー)
- メリノウール ワッフル編みベスト (チャコールグレー)
- ミラノリブ編みクルーネックセーター (ライトグレー)
です。3つ目のベストは、無印良品のネットストアでもSALEになっていて、お値打ちに手に入れることができました。
注目ははじめの2つですね。今期の新作、新疆綿を使ったオックスフォードシャツです。どちらも¥2,990というお値打ち価格ながら、通常のシャツとは違った面白いシルエットの新作です。
筆者が購入したのはどちらも白ではありませんが、白の方がシャツらしく見えそうだったのでネットストアの方から画像を引いてきました。
ね?パッと見た感じ、シャツっぽくないでしょう?どちらも襟が立っておらず、Tシャツで言う「クルーネック」のような首元です。
裾のカッティングも、通常のシャツのような前後が膨らんでいてサイドが短め、という切り方ではなく、ストレートにカットしてあります。
首まわりにしろ裾のカッティングにしろ、やはり「シャツ」と言うとこういったものを思い浮かべがちですから、上の2つのシャツがシルエットとして珍しいタイプだな、という印象は誰でも持つことができるはずです。
これまで無印良品のファッションアイテムというと、「とことんベーシック・とことん普通を、上質ながら安価に」という印象が強かったので、今回の新作は、なかなか思い切った商品展開になっているな、と思います。
新疆綿オックスノーカラーシャツ
あらためて、筆者が今回購入した、「新疆綿オックスノーカラーシャツ」です。色は白・グレー・ダークネイビー・黒の4色展開です。画像の通り、筆者が購入したのは黒。
狙っていたのは白だったけど、試着室で気づいた。
最初に見つけたのはネットストアで、(上に貼った)画像を見て「これの白がめちゃめちゃイイ!」と思ったんです。なので実店舗に試着に行く時にも、「色はとりあえず白で確定だな。あとはサイズを見るだけ」というつもりでした。
そしていざ、試着。試着室で鏡を見て、そこで気付きました。
「これ、中華料理屋さんのアルバイトでは…???」
改めて画像を貼っておきます。
笑っちゃうような話かもしれませんが、そう言われるとそう見えてきませんか?
そして、一度これが中華料理屋さんの従業員さんに見えたら、もうおしまいです。もう、なんかね、絶妙に中華料理屋さんなんです。笑
「グレーなら行けるか…!?!?」
とも思ってグレーも試着してみましたが、ダメでした。白ほどとまではいきませんが、グレーでも十分に中華料理屋さんでした。
というわけで急遽予定を変更して、今回は黒を購入。(ちなみに上にも書いた、新疆綿オックスプルオーバーリブ付シャツはダークネイビーにしました。)
オックスフォードのしっかりした生地
そんなこんながあって黒を購入したわけですが、着てみると、さすが無印良品ですね。
生地はオックスフォードなので、シャツの中でも厚みがあってしっかりした部類の生地です。
もちろんアイロンをかけたりクリーニングに出したりしてパリッとした着方をしても良いのでしょうが、筆者はそこまでのことはせず、オックスフォード特有の多少のシワ感を楽しみながら着ていこうかな、と思っています。
画像の通り、背中も通常のシャツとは違って折り目をつけて絞ってあったりはしません。脇にかけても、ストンと真っ直ぐ落としたカットになっている、いわゆる「ボックスシルエット」。
あまり脇から背中あたりにテーパーをかけて絞ったシルエットになっていると、「あくまでジャケットの下に着るインナー」という使い方になってしまいますが、その点このシャツは絞りがまったく効いていないのを逆手にとって、羽織りとして使用できるのは良さそうですね。
大きめのポケットと、浅めの袖口が上着っぽさを醸し出す。
前から見ると、こんな感じ。両胸にあるポケットは、スーツ用のシャツなどに付いているポケットよりも少し大きめ。スマホとかパスポートくらいの大きさまでは余裕を持って入れられます。
袖口は少し浅めですね。写真の写り方で白っぽく見えてしまっていますが、前開きの部分を含めて、ボタンはすべて光沢のある黒いボタンです。
袖口があまり深いと、「やっぱり通常のシャツ」っぽい印象になってしまうので、少し浅めに作ったということなのだと思います。このあたりも、暖かい時期になったらジャケット代わりに使用できるように、という気遣いを感じます。
無駄を削ぎ落とした首元が「オシャレは引き算」を実現。
そして、商品名にもなっている「ノーカラー」。首元が極限まで削ぎ落とされ、無駄のないミニマルなデザインに仕上がっています。
ここ何年か、ジャケットやコートにもノーカラーのものが増えてきました。
このブログでも紹介したことがある、DANTON (ダントン) なんかも、ノーカラーのジャケットを販売していたりします。
フード付きのコートだったり、テーラードジャケットだったり、首元やそのまわりに装飾がある上着も多いですし、それはそれで使い方によってはとってもオシャレです。
でも、こういったノーカラーのアイテムは、そういった装飾を削ぎ落としてシンプルな装いにすることで、いわゆる「引き算のオシャレ」を作り出すことができます。
そして、筆者の睨むところ、無印はもう一つ、狙っていると思うんです。
それが「ノーカラー・
シャツ」というところ。つまり、「
ジャケットではない」というところに、無印の狙いがあるのではないかと思うんです。
これは同じ無印良品の「乾きやすいストレッチジャケット」です。
無印良品は、ファッションアイテムに関してはお値打ち価格が売りでもあるので、この商品も1万円を少し切るくらいの価格帯です (2020年2月現在)。
でも、それでも今回筆者が購入したシャツからすると、倍以上の価格なんですよね。これはおそらく、どんなセレクトショップに行こうが同じようなものだと思います。シャツが1万円のお店に行けば、だいたいジャケットは2万円~、という感じでしょう。
その意味で、「ジャケットを1枚買おう」と考えるのにはお財布的な意味で、大きなプレッシャーがかかるんですよね。それに比べたら、シャツを1枚購入するのは、単純に価格で比較できるなら、プレッシャーが半分以下です。
そして、最近の「ノーカラー」への注目度の上昇。
「実はノーカラー、良いな〜と思ってるんだよね。けどテーラードジャケットは1枚持ってるし、もう1枚上着を買うのはお財布的にもちょっと厳しいかな…」
という方にとって、今回の「新疆綿オックスノーカラーシャツ」は渡りに船、という商品だと思うんです。
そして無印良品は、そこまで睨みを効かせた上で、「ノーカラー」の「シャツ」を、そして上着がわりに使用できるような「オックスフォード」の生地で、作ってきたんじゃないかな、と筆者は考えています。
正直、「無印良品、やるやんけ…」以上の何ものでもありませんね。案の定、筆者も「これイイ!!」と思って早速購入してしまいました。
ノーカラーのアイテムが増えてきていることを、実は指をくわえながらジッと観察していた、「お財布に余裕はないけど、オシャレしたい!」という方。チャンスは今かもしれませんよ。
シャツとしてもジャケットとしても。新疆綿オックスノーカラーシャツは、一石二鳥の便利アイテムだった。
というわけで、無印良品の「新疆綿オックスノーカラーシャツ」について紹介してきました。
「ベーシックを上質に、そして安価に」を貫いてきた無印良品のアイテムという点では、一皮剥けるというか、ブレイクスルーというか、そういった印象を与えるアイテムだと思います。
そしてその作りから読み取られる、「ノーカラー」というファッションへの戦略たるや…。(ちなみに筆者は回し者でもありませんし、今回書いている「戦略」などはすべて筆者の勝手な予想です。)
手を伸ばしてみて、失敗したとしても¥2,990。それこそDANTONなどのノーカラージャケットからすると、10分の1近い価格で手を伸ばすことができます。
今のような寒い時期にはカーディガンの下に着るインナーとして。暖かくなってきたら、Tシャツの上に羽織るシャツジャケットとして。
活躍の場がとっても広くて、知らない間にヘビロテアイテムになっている、なんてこともあるかもしれません。
「新疆綿オックスノーカラージャケット」、今期の新作はマストバイ間違いなしの、文字通り「良品」の予感でした。
(ちなみに、今回購入した残りの3つのアイテムについても、またそれぞれ紹介できたらな、と思っています。そちらもまた、お楽しみに!)