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「オシャレになる」と「ダサくなくなる」とがけっこう違う、というお話。

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「脱オタ・脱ダサして、オシャレになりたい!」

…切実な願望ですよね。「ダサい」「オタクっぽい」を抜け出して、一刻も早くオシャレになりたい。あの子に振り向いて欲しい。

そんな願望を持つ方には少し残酷というか、残念な話に感じられるかもしれない、今回のテーマは、「オシャレになる」と「ダサくなくなる」との間には、実はけっこう深い溝がある、ということです。

「ダサい」を脱出しても、「オシャレ」にはならない

「好き」の反対は「嫌い」?それとも「無関心」?

まず「言葉の意味」に注目して、少し考えてみましょう。

「ダサい」の対義語(=逆の意味の言葉)は「オシャレ」ですよね。逆に「オシャレ」の対義語は「ダサい」です。

ただ、この対義語って、意外にやっかい。

別の例として、二つのものを考えてみます。

  • 「生きている」⇆「死んでいる」
  • 「好きだ」⇆「嫌いだ」

一つ目の「生きている」と「死んでいる」との関係は、「すべての人が、そのどちらかに割り振られる」関係です。つまり普通に考えると、どんな人を考えたとしても、その人は「生きている」人であるか「死んでいる」人であるかのどちらかです。

それに対して、二つ目の「好きだ」と「嫌いだ」との関係は、「どちらにも割り振られない、三つ目の選択肢がある」関係です。例えば、マクドナルドでハンバーガーやポテトを載せる「トレー」、あなたは「好き」ですか?それとも「嫌い」ですか?おそらく多くの人が「好きでも嫌いでもない」(=「フツウ」)と答えるでしょう。

名言チックな言葉として、よく「好きの反対は嫌いではない。好きの反対は無関心だ」と言われたりもします。

図にするとわかりやすいです。こんな感じ。

一言で「対義語」といっても、「必ずどちらかに割り振られる」か、それとも「どちらにも割り振られない場合がある」か、のパターンがあるんですね。

「オシャレ」になるためには、「フツウ」を経由していかないといけない。

このパターンに当てはめて考えてみると、「オシャレ」と「ダサい」との関係は、どちらになるでしょうか。

おそらく、「どちらにも割り振られない場合がある」方のパターン、つまり「好き⇆嫌い」と同じパターンです。

世の中にはたくさんの「オシャレ」な人がいます。反対に、「ダサい」人もいます。そして同じように、「オシャレでもないしダサくもない」=「フツウ」な人がたくさんいますよね。

そのため、現状で「ダサい」人は、「ダサい」を抜け出せばすぐに「オシャレ」になるわけではなく、「フツウ」を経由して初めて、「オシャレ」になることができるというわけ。

図にするとこんな感じ。

なんかだんだんパワーポイントで発表用スライドを作っているみたいになってきていますが、それは置いておいて…(苦笑

よく「オタクファッションを卒業したのに、『脱オタファッション』というオシャレでも何でもないファッションになっちゃった」というセリフを聞きます。あるいは「オタクファッションからみんなが脱出しようとして、みんなが『量産型大学生ファッション』になっちゃった」とか。

こういうセリフって、ある意味では当たっています。上の図で言うと、「『ダサい』から『オシャレ』になろうとして、失敗して『フツウ』で止まってしまった」ということなんです。

そして、以前「『量産型大学生』はダサいのかダサくないのか!?」という記事でも書きましたが、「フツウ」のファッションは、それ自体がダサいのかというと、そうでもないんです。ですが、それが「量産化」された、つまり「みんないっしょ」になってしまったおかげで、「みんなといっしょ=ダサい」というレッテルを貼られるようになってしまったんですね。

参考画像(matome.naver.jp)

量産型大学生をよく見てみてください。目立って「ダサい」人は誰一人として、いませんよね。他の人と「被って」いるせいで、「何となくダサいのかな…?」と思われがちなだけです(もちろん彼らが『オシャレ』かどうかは微妙なところですけどね)。

それに比べると、いわゆる「オタクのファッション」とか、正面切って「ダサい」と言われるようなファッションは、「何となくダサいのかな…?」ではなく、「ちゃんとダサい」

一人でいても「ダサい」になる「オタクの(ダサい)ファッション」と、集団に埋もれてしまっているがゆえに「ダサい」になる「量産型大学生ファッション」とは、キッチリと区別しておく必要があります。繰り返しますが、「量産型大学生ファッション」は「ダサい」ではなく「フツウ」(場合によっては「オシャレ」かも)です。

「ダサい」を脱出するのは、少しの努力で可能。

ここまでを読んでもらえれば、タイトルにした「『オシャレになる』と『ダサくなくなる』とがけっこう違う」の意味はわかっていただけたのではないかと思います。

「ダサくなくなる」と、ごく少数の人は「オシャレになる」かもしれませんが、大多数は「フツウになる」で止まってしまいます。

また、「オシャレになる」のも、「ダサい」から、パッと見は「直接」行っているかのように見えるくらいスピーディに「フツウ」を経由して「オシャレ」に至っている場合もあるかもしれませんが、それもやっぱりごく少数。大多数の人は、少なくともある程度長い期間を「フツウ」で過ごした後に、やっとこさ「オシャレ」に到達します。

ましてや、お財布の苦しい大学生。一度にそんなにたくさんの服を買うこともできないのだから、「オシャレ」になるのに時間がかかるのも当然です。「オシャレ」になるためには、時間をかけて、いわゆる「センス」を磨く必要もあります。

さらに追い打ちのようですが、ひとくちに「オシャレ」といっても、その中身は非常に複雑です。

「オシャレな人」みんなが同じ格好をしていたりしますか?しないですよね。それぞれが自分の個性を活かした、上手な服装をしているはずです。自分の個性を理解したり、自分の好みの系統のファッションを勉強したり。「オシャレ」への道は学校の成績を上げるように、コツコツ積み上げていくタイプのプロセスです。「明日からフツウになる」はまだ可能ですが、「明日からオシャレに」はほとんど不可能。

ただ、これだけは覚えておいてください。

「オシャレ」になるのに時間はかかるかもしれませんが、「ダサい」を抜け出すのは比較的簡単に、スルッといけます。

「ダサい」を抜け出すポイント

ユニクロや無印良品など、ファストファッションブランドと呼ばれるような、安価なお店で手に入るアイテムでも、いくつかのポイントをしっかりと満たしさえすれば、「ダサい」は抜け出せます。文字通り「脱ダサ」です。

ポイントは

  • できるだけ「無地」を選ぶこと
  • 派手なアイテムを避けること
  • すべてのアイテムで「サイズ」にこだわること

の三つです[1]。

[1]それぞれについて記事を書いたことがあるので、この記事の下に「関連記事」として紹介してあります。

「もしかしてオレってダサいのかな…?」と疑問に思っておられる方、あるいは「今のオレはダサいけど、脱ダサしたい!」と願っておられる方は、ぜひぜひ参考にしてみてください。

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